治療ブログ

2023.08.25

歯周病とは歯を支えている骨である、歯槽骨が溶けてしまう病気です

歯周病とは一体何か?

多くの方は一度は「歯周病」という名前を聞いたことがあるとは思います。

しかし、正しくこの疾患について理解している方は少ないのではないでしょうか。

本日は名前は聞いたことがあるけど、実際よく分からない。そんな歯周病についての話です。

『顎の骨が溶ける?』
歯科医院でレントゲンを撮って説明を受ける際、顎の骨が「溶ける」などという言葉を聞いたことはありませんか?
なぜ歯が悪いのに骨が溶けるのでしょうか?
実はむし歯と同じように細菌によって溶かされるのではありません。
今回は、歯周病で顎の骨が溶けるメカニズムについて、わかりやすく解説します。

『歯周病菌は炎症を引き起こす』
歯の表面に歯垢や歯石が形成されて歯周病菌が繁殖すると、私たちの体は防御反応を示します。
歯垢や歯石のすぐ近くにある歯茎に白血球などの免疫細胞が集まって、細菌を攻撃し始め、歯茎に炎症が引き起こされます。
これが歯周病によって生じる歯茎の腫れや出血の原因です。

『歯を支えている顎の骨にも炎症が広がる』
歯茎で生じた炎症がさらに奥深くにある歯槽骨にまで広がっていきます。
歯槽骨とは、歯を支えている顎の骨です。
この状態を歯周炎と呼び、いよいよ顎の骨が溶けるという現象が現れてくるのです。

『炎症が長く続くと歯茎や骨の細胞が破壊される』
歯槽骨が破壊されて付随した歯肉の退縮により、歯の見た目として歯が長くなったような状態になります。

歯が長くなる歯茎が痩せると表現されるのはこの状態で、これは加齢の変化ではないのです。

これは、長引く炎症反応によって歯茎や骨の細胞が破壊され、再生されなくなった結果です。
つまり、歯茎や骨は歯周病菌が産生した何かによって溶かされるのではなく、炎症反応の持続によって壊されてしまうのです。

骨が破壊されるという恐ろしいことが起きるのにも関わらず、ほとんど無自覚であることや一度破壊されてしまった顎骨は、基本的に再生されないというのが歯周病の怖いところです。

そのため可及的速やかに治療を受ける必要があると言えます。

歯周病は全身と関連がある

近年の研究で歯周病は全身の健康にも大きな影響を及ぼすことがわかっており、糖尿病、心臓血管系疾患、呼吸器官系疾患、消化器系疾患、低体重児出産などにも関わって来ると論文でも多数取り上げられています。

自身の体のことをよく知ること、それが健康で楽しい生活を送るために重要なことだと考えてます。

歯周病を治療し予防することで、より健康な生活を送ることができます。

自身の歯についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。
少しでも参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。

萩野 貴磨

TEL:03-5990-2835 初診専用WEB予約
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