治療ブログ

2023.01.15

知覚過敏(ちかくかびん)とは、歯がしみる

冷たい飲み物やアイスなどで歯がしみてしまう等の経験はありますか?

知覚過敏症状は誰にでも起こり得る歯のトラブルです。

歯ぐきが下がる、歯のエナメル質が摩耗するなど、一般的な歯のトラブルが原因として徐々に悪化していく病態で幅広い年代の人にみられます。

☆歯がシミる原因とは?
知覚過敏症状は、歯のエナメル質の内側にやわらかい「象牙質」という組織があり、その「象牙質」が露出してしまうことで発生します。

象牙質には数千本の象牙細管が歯の中心に向かって伸びています。
象牙質がむき出しになると、外部からの刺激(冷たい飲みものなど)が象牙細管を通って歯の内側の神経に伝わり、結果として瞬間的に鋭い痛みを感じるようになるという説が濃厚だと言われています。   ※余談ですが本当のメカニズムは未だ解明されていません。

知覚過敏の診断には、歯科医院での診察が必要です。
知覚過敏を発症してしまっても、口腔ケアと生活習慣を少し変えるだけで、象牙質の露出を最小限に抑え、シミる痛みを予防できるかもしれません。

知覚過敏症状の主な原因は?
・エナメル質の摩耗 歯ぎしりや頻繁に歯磨きの強さや磨きすぎるなど
・歯ぐきの後退 汚れなど細菌感染による歯周病または片側ばかりで咀嚼する事や食いしばりや歯ぎしりなどに起因する力による歯周病歯や、力強く磨きすぎるなどが挙げられます。

原因は細かいものを入れると様々あるため状態にあった対応が必要となります。

知覚過敏症状は、次のような原因で発生することもあります。

*ムシ歯。
ムシ歯は、食べものや飲みものに含まれる糖質と、歯垢内部の細菌が、酸を作ることで発生します。
ここでつくられた酸は次第に歯のエナメル質と象牙質をやわらかくして溶かし出します。神経に近接したムシ歯により知覚過敏症状が出現することがあります。

ムシ歯の怖いところは、症状がかなり進行するまで痛みを伴わないところです。
ムシ歯は痛みが出現すると神経部屋の処置が必要となる可能性が高く、いかに早期発見早期治療できるかが重要となります。
そのため痛みや自覚症状なくても、歯科医院へ定期的に受診することを心がけましょう。

*歯のホワイトニング
多くの人がホワイトニング治療中、治療後にシミる痛みを感じています。
ここで言うホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士による薬剤を使用したホワイトニング治療を指します。

ホワイトニング治療で使用された薬剤が、エナメル質と象牙質に浸透して歯の中心部の歯髄に到達し、これが原因で炎症が発生して一時的な知覚過敏症状を誘発します。

*ムシ歯などの歯の治療後
歯の治療後に一時的な痛みを感じることはよくあることです。
痛みが継続する場合は、歯科医師にご相談ください。

*歯の割れやヒビによるもの
経年的に起きることもあれば若くとも力で起きることもあります。割れやヒビから刺激を受容して知覚過敏を感じることがあります。
歯の割れやヒビは肉眼的に見てもどの程度の深達度かは判断が困難です。
そしてX線写真の特性上、画像での判別も困難なケースがあります。
そのため診断が難しい知覚過敏の原因の一つとなります。

☆エナメル質の摩耗とは何ですか?☆

エナメル質は歯の外側、表面を覆う硬い組織です。体の中で一番硬い組織ですが、時間の経過と共に摩耗することで内側の象牙質が露出してしまうことがあり、これが知覚過敏症状の原因になることがあります。

エナメル質の摩耗は次のような原因で発生することがあります。

*歯ぎしり、食いしばり
夜または日中に歯ぎしりや食いしばりをすることがありますか?
歯ぎしりはエナメル質を摩耗し、やがて内側の象牙質を露出してしまいます。

*歯磨き
歯を頻繁に磨きすぎたり強く磨きすぎるとエナメル質を摩耗してしまい、やがて歯ぐきが下がる場合があります。

*酸蝕歯 (さんしょくし)
食べものや飲みものに含まれる酸によって、歯のエナメル質は徐々に摩耗していきます。
これを酸蝕歯(さんしょくし)と呼びます。
果物、フルーツジュース、炭酸飲料、コーヒーや紅茶、ワイン、ケチャップやドレッシングなど、酸味を含むものはすべて歯のエナメル質の摩耗の原因となりえます。
1日のうち酸を含む食べものや飲みものを口にする「機会」が4回あるだけで、歯のエナメル質が摩耗するリスクが高まります。

☆知覚過敏の治療法

■知覚過敏用の薬を塗布
歯の神経(歯髄神経)を保護しており、痛みを感じる部分・象牙質が露出すると痛みを感じる。
そのため、露出した象牙質の表面に薬を塗布する手法。歯と似た成分の薬を塗ると、痛みを感じる歯髄神経への刺激を遮断してくれるため、痛みが止まる。

■コーティング剤で保護
象牙質の表面に樹脂をコーティングして神経への刺激を遮断する。
ただ、毎日の歯磨きなどでコーティング部分がはがれ落ちることも。
恒久的に保護するものではないので、定期的にコーティングし直し、徐々にその間隔を延ばしていくことが目的となります。

■患部へのレーザー照射
象牙質内の象牙細管と呼ばれる、歯髄神経につながる管に開いている穴の部分にレーザーを照射し、その穴をふさぐ治療法です。
これにより患部を保護して、その後にコーティング剤を使用する治療法もあります。

■マウスピースを装用する
主に歯ぎしりや食いしばりが原因の知覚過敏患者に用います。
これらの歯同士に圧力がかかるクセは象牙質を保護するエナメル質をけずってしまうため、その保護のために予防的にマウスピースを使用します。

■歯周病治療をする
歯周病が進行して歯茎が後退すると、象牙質が露出してしまって知覚過敏が起きやすくなるため、その悪化を防ぐための治療を施します。

■歯の神経を抜く
知覚過敏の症状が強すぎる場合、神経ごと取り除く方法もあります。
歯の神経が無くなっても、歯の組織は残ります。
ただ、歯の中にある血管と神経を取ってしまうため、歯に栄養分が行き届かなくなり、結果として歯の寿命は短くなります。

☆知覚過敏の予防方法・対処方法

*セルフケア(自分自身で行う予防)
歯をみがくときには、以下の4つに気をつけましょう。
1.力を入れすぎないようにしましょう
2.歯ブラシを大きく動かさないようにしましょう
3.歯肉退縮が起きている場合、歯の根元付近のプラークをていねいに取り除きましょう
4.知覚過敏予防歯みがき剤を使いましょう
知覚過過敏予防歯みがき剤に入っている薬用成分が、露出した象牙細管の入口をふさぎ知覚過敏を予防したり、症状を和らげます。
知覚過敏予防歯みがき剤配合の主な薬用成分
乳酸アルミニウム
硝酸カリウム

*プロケア(歯科医院で行う予防・処置)
症状が続くようであれば、早めに歯科医院に相談し、適切な処置と指導を受けましょう。
もちろん当院でもおこなっておりますので、お気軽に御相談下さい。

萩野 貴磨

TEL:03-5990-2835 初診専用WEB予約
TOPへ戻る TOPへ戻る